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百田 尚樹 著「海賊とよばれた男」を読んだ感想まとめ 良い点と悪い点をレビューから読み取る

 

 

 

海賊とよばれた男(上) Amazonレビュー 513件  5つ星のうち 4.2

 

 

海賊とよばれた男(上)
一九四五年八月十五日、敗戦で全てを失った日本で一人の男が立ち上がる。
男の名は国岡鐡造。
出勤簿もなく、定年もない、異端の石油会社「国岡商店」の店主だ。
一代かけて築き上げた会社資産の殆どを失い、借金を負いつつも、店員の一人も馘首せず、再起を図る。
石油を武器に世界との新たな戦いが始まる。

 

 


海賊とよばれた男(下)

Amazonレビュー 372件  5つ星のうち 4.4

 

敵は七人の魔女、待ち構えるのは英国海軍。
ホルムズ海峡を突破せよ!
戦後、国際石油カルテルセブン・シスターズ」に蹂躙される日本。
内外の敵に包囲され窮地に陥った鐡造は乾坤一擲の勝負に出る。
それは大英帝国に経済封鎖されたイランにタンカーを派遣すること。
世界が驚倒した「日章丸事件」の真実。

 

 

 

 高評価のものから低評価のものまで星5段階に分けてレビューを見て「参考になった」と認めた人が多いレビューを紹介します

 

 

 

★が5つのレビュー

 

 
出光佐三をモデルに余りにも調子よく豪快に描かれている。
官僚の統制、業界の反発を次々にぶつけ、これを豪快にさばいてゆく姿は読者を惹きつける、流石ベストセラーの百田尚樹のサクセスストーリー。
敗戦から立ち上がり、メジャー、大英帝国と闘い、遂に超弩級の大型タンカーを建造し、世界を馳せる姿は将に世界に羽ばたく日本の躍進を彷彿とさせるものである。

また、下巻最後に堺屋太一氏が評論を入れているが、本文中の政界、官界、経済界との闘いの様は戦後の日本の実際の姿が良く表れていると思う。

最後に大恩ある日田重太郎に若き日の鐵造に見たのは商才かとの問いに対し、「鍛冶屋の作品を見たかった」との話は、深遠なる創造の世界を垣間見たのではないかと。

本書は立志伝中の人物である出光佐三をモデルとした物語とされているが、百田氏の豪快な筆致は、若き読者が己に投影して青雲の志を抱かせる素晴らしいサクセスストーリーであると思う。

しかるに、彼の三島由紀夫が「阿川五十六」と揶揄したように愚将山本五十六に投影して溺れたような作家は、本末転倒な卑しい心情であったと言わざるを得ない。
50人のお客様がこれが役に立ったと考えています

 

 

海賊とよばれた男(下)

 

 

今日本の平均的定年は60歳。豊かな現代でも『年金破綻、年金満額支給開始の65歳まで特に不安』 と自分の後半生をどうやって生きるか心配です。 そういう初老期に会社資産を全て失い1000人の生活を背負う事になった経営者がいます。『海賊とよばれた男』(百田尚樹:著 講談社)は『この死ぬより苦しい試練』を当然のごとく担い、生き抜いた出光佐三氏後半生を描いた驚愕の史実小説です。
大混迷の現代は、強いリーダーの発揮が求められるおり、あらゆる階層の人に読んで欲しい本です。
普通なら第2の人生の隠居生活に入る60歳から大苦難を背負った出光佐三氏の年齢エポックを列記します。

'1.(60歳)出光佐三氏が経営の根幹とした 『人間尊重、家族主義』 の真髄は、終戦時「家族をクビにはできない」と800人の引揚者を一人も馘首せず、生活費と手紙を送り『仕事は必ず探す』と約束し実践した事ではないでしょうか。 
'2.(68歳)そして意気消沈していた日本人が再び自信と誇りを取戻した『イラン石油輸入の日章丸事件』。会社にたった1隻しかなかった外航船を経済封鎖中のイランに差向け、『例え拿捕・撃沈されても日本人の心意気を全世界に示す』と決断・実行したのが68歳です。 
'3.(78歳)当時国内最大の徳山製油所を作り、6年後千葉製油所建設。しかし石油業法で生産枠を50%に制限され、大豪雪時に消費者が困窮しているのを見かねて石油連盟を脱退。国や業界を相手に一歩も引かず『消費者本位』を貫きました。
'4.(96歳)逝去された時、昭和天皇出光佐三氏を偲び和歌を作られました。 
   『人の為、ひとよ貫き尽したる、君また去りぬ、さびしと思う』 
『共に戦前戦後の未曾有の国難を全身全霊で生抜き指導し、日本人の誇りを取戻し繁栄を築いてくれた戦友の死がさびしい』 という昭和天皇の深い悲しみが溢れています。(歴代の天皇が一般人の死を悼んで和歌を詠まれる事は
例がないそうです。)
 
142人のお客様がこれが役に立ったと考えています

 

 

 

★が4つのレビュー

 

 

 
 
 
百田尚樹の新作である。出光興産の創始者である出光佐三の自伝的小説だ。国岡鐵造という名前になっており、かなり脚色されてはいるものの、大筋では歴史的事実に基づいているようだ。
出光佐三というと『日章丸事件』のみがクローズアップされるが、タイムカートなし、出勤簿なし、馘首なし、定年なしという絶対的『人間尊重』の個人商店(佐三の死後も近年まで、出光は株式上場をしていない)を貫き通した。しかも、石油関連会社でありながら、民族会社として日本人による日本人のための会社として、西欧の巨大石油会社からの役員、銀行からの役員すら受け入れないという自社叩き上げの社員で構成されたプロ集団を作り上げたのは、戦後の奇跡としか言いようがない。
彼の生き様を、まるで連続テレビドラマでも観ているように、読みやすい文章で淡々と綴られていく。現実も激動の時代であったとは思うが、非常に速いテンポで進んでいく。上下巻であるにもかかわらず、全く退屈することはない。どうしても、主人公の『人間尊重』『愛国主義』を表すエピソードが多く、下巻あたりでは、もう説明しなくていいよ・・・・と感じるくらいである。
その中でも遊びを忘れず、『永遠の0』を少し登場させ、史実ではないかもしれないが、私生活での前妻への思いまで織り込んでいる。こういう遊びがないと、単に自伝を脚色しただけで小説にならないところであるが、そのあたりは百田氏の面目躍如といったところである。
日本人が日本人としての誇りを失いかけた戦後の沈滞した空気の中を切り裂いて進むような人物に触れ、日本人として、『侍』としての生き方、誇りを考えさせてくれた作品です。
痛快ですよ。
563人のお客様がこれが役に立ったと考えています
 
 

海賊とよばれた男(下)
 
 
出光佐三の直属した店主室に3年間勤めた者として非常に興味深く読ませていただきました。 

40年近く前にもなりますが、たまたま一人で店主に相対し神について語り合った(教えを請うという雰囲気ではなくて)時のことを今でも鮮明に思い出します。一人前でもない若い社員の話に真摯に耳を傾けていただき感激したことを覚えています。 

若手には優しい祖父のような人でしたが、重役に対しては非常に威厳というか厳しさがある人でした。 幾分リラックスしている私たち若手社員の前で重役が直立不動の態度をしていたこと、目の手術をされた後、君たち、もう足を組むなんてことはできないよ、と茶目っ気たっぷりで言っておられたことなど、今となっては楽しい思い出です。

店主の多くの著作を読んではいましたが、「海賊と呼ばれた男」には私の知らないことが多く書かれていました。また、この本に出てくる登場人物は名前は違っているものの、ああこの人だな、と想像がつき楽しいものでした。 百田さんは店主の著作を読むこともさることながら、店主を知る人たちへのインタビューも精力的に行われたのではないかと察します。
188人のお客様がこれが役に立ったと考えています
 
 

 

★が3つのレビュー

 

 

 
これまで百田氏の他の著書を読み、粗削りな面有れど、世の注目に値する筆力を持つと感じ、期待を持ってこの上下巻を手にした。
決して悪くは無い。
他の著書と同じく著者は課題の為に真摯に取材・情報収集を行ったのが伝わって来る。
この本の主人公のモデルである出光興産の創業者、出光佐三氏は傑物であったし、石油業界のみならず、国家に対しても大きな貢献が有った事は紛れもない事実である。

ただ、ある程度以上の世代の人間から見ると、最近まで存命であった人物をあくまでも英雄化する描写が徹頭徹尾続いてしまうと、やや平坦な印象は禁じ得ず、敢えて悪い言葉で言うなら、「御用社史」の様に感じてしまう面も有る。
どんな傑物の人生・人格にも、光が有れば影が有るのが普通で、この著書においては光の面ばかりが強調され描写されるている感は禁じ得ない。

また、幾人かの他のレビュアーの方々が指摘されている通り、この上下巻の長さが、その平坦な印象を強くしているのも事実であるように思う。
もし内容を厳しく取捨選択したら、1冊に収まり、更に良い物になったのではないだろうか。

この著はある意味、記録書の様であり、それが強みであると共に当方にとっては残念な面でもあった。
一人の傑物の様々な功績、そしてその功績達が生まれた背景を詳しく知るには秀逸な著書であるが、「永遠の0」の様に、理屈では無い感情の塊が押し寄せてくる事も無い。

ともあれ、著者の次作にもう一度期待したい。
66人のお客様がこれが役に立ったと考えています
 
 
 
 
 
ある地方のラジオ番組で、作者が電話で「下巻は上巻よりも10倍面白いですよ」と伝えていましたが、実際私が読んだ感想では下巻は上巻より半分くらいの面白味しか感じませんでした。

実在の主人公をモデルにした物語ですが、それがどこか中途半端で、作品の出来栄えにしても深みが足りないと感じます。あまりにも色々な側面を書きすぎているためか、作品にのめり込めない感があります。

同じような作品を森村誠一氏が書いていたら、どんなものになっていたのかなと思いました。

いっそうのこと、実名を出してノンフィクションにした方が良かったかもしれません。
 64人のお客様がこれが役に立ったと考えています
 

 

★が2つのレビュー

 

 

 
 
昨今珍しい大ベストセラーということで、興奮して購入しましたが、期待はずれでした。
なぜか、心に響かない。「満足げにうなずいた」とか、常套句のオンパレードだからでしょうか?
文章で人の心を伝えるのではなく、「ここで泣いて下さい」、「ここで感動して下さい」的な文章にかなり辟易しました。企業モノは好きなので、出光の起業秘話、国交のないイランへの社員の渡航など、ドキドキされるシーンはいくつかあります。でも、それは現実がすざまじい経験だったからだと思います。こうした現実の下書きのない部分は(下巻の前半などは)つまらなくて読み進むのが苦痛なほどでした。もしかしたら、出光興産の社史をそのまま読む方が面白いのでは思わせる作品でした。
65人のお客様がこれが役に立ったと考えています
 
 
 
 
 
 
出光佐三の生涯に範をとった小説(もしくはノンフィクション)とのことですが、本当に読む価値のある本なのか大きな疑問が残りました。ストーリーの作り方が荒いし、ちょっと作為性が強すぎです。「国内外の既得権益保有組織に強い志をもって一人立ち向かう国岡鐵造」といった具合。しかも、細かいところは適当にお茶を濁して、派手なところだけ筆が走っています。他のレビュアーも書かれていますが、安っぽいテレビドラマの脚本を読んでいるようです。

細かい点を指摘しておくと、セブンシスターズ(Seven Sisters)を「七人の魔女」と強引に訳している時点で、読者に対するネガティブな印象操作を感じます。だって、普通に訳せば七姉妹、世間一般の訳は「国際石油資本」でしょう。「七人の魔女」なら、もとの呼称はSeven Witches のはずです。

常識的に考えて、戦前、戦中、戦後を通じて生き残った個人商店主が、高い志だけで歩み続けられるわけがありません。例えば、美術品収集なんて、サラリーマン社長にはできない創業者社長の趣味そのものなわけで、社員に熱意をもって接した事実はあったとしても、店主が必要十分以上の報酬を得ていたことは疑いないでしょう。一方、戦後、日本の復興を担った官僚達がこの本に書かれたような既得権の保持だけにこだわるクズばかりだったら、戦後の日本の急速な復興は起こりえなかったのではないのでしょうか。言い換えると、この本の世界が正ならば、「官僚たちの夏」で城山三郎が描いた世界は全くの虚構ということなってしまいますよね。

残念ながら、この本は『水戸黄門漫遊記、国岡鐵造篇』のレベルを出ていないです。勧善懲悪を期待して読むのであれば楽しいでしょうが、実在した人物とその周りの人々の苦悩、葛藤、そして成功を文章から感じたい読者には非常に浅薄な本に映ると思います。

本屋大賞受賞とのことだけれども、この事実はこの本の価値を高める以上に、本屋大賞自体の価値を著しく貶めたと言わざるをえないでしょう。
84人のお客様がこれが役に立ったと考えています

 

 

★が1つのレビュー

 

 

 
読者を感動させようという魂胆が見え見えで何とも気持ち悪かったです。
手前の利益しか考えない者が主人公たちを邪魔する→主人公はそれにもめげず国家を思い奮闘する→主人公側に感銘を受けた誰かが手助けをして問題解決!
といった流れのエピソードが羅列しているだけのように感じました。
 
408人のお客様がこれが役に立ったと考えています
 
 
 
 
やはり構成作家さんが書いた本なので、どこかテレビの再現VTRの台本みたいな、時間が飛ぶ、飛ぶ。読みやすいけど、やっぱこれは小説とはいえないような
 119人のお客様がこれが役に立ったと考えています